ハロウィン特集の続きということでもないのですが、今回から2回に分けて、「パンプキン(かぼちゃ)・パイとシナモンティー」という楽しくも暖かい、さだまさしさん作詞・作曲の「有名でない名曲」を紹介したいと思います。
まず、この歌の舞台を歌詞で紹介します。
♪2丁目の交差点から17軒目で
時々走って2分と15秒
平均112,3歩目に
我等のコーヒー・べーカリー『安眠(あみん)』がある♪
場所は特定されていませんが、この歌の舞台のコーヒー・ベーカリー「安眠」は、学生街にある店だと思われます。
この店の名物は、パンプキン・パイとシナモン・ティ、それにバラの形の角砂糖です。
この歌ができたのは、1979(昭和54)年ですから、東京ディズニーランドはオープン前で、ハロウィンはもちろん有名になっていませんでした。
この頃の喫茶店で流れていた曲は、甲斐バンドの「HERO」や海援隊の「贈る言葉」、サザンオールスターズの「いとしのエリー」、山口百恵の「しなやかに歌って」やピンクレディの「波乗りパイレーツ」、そしてさだまさしの「関白宣言」などです。
この時代に、「パンプキン・パイとシナモン・ティー」という新しい言葉を曲名にもってきた、さだまさしさんって、すごいなと思います。
<パンプキン・パイとシナモンティー>
さて、曲の話に戻りましょう。
「安眠(あみん)」のお人好しのマスターは、36歳で独身です。
ここへ、「僕たち」学生が、授業をさぼって入り浸っています。
この店には、女子たちの間でささやかれている「伝説」があります。
「♪シナモンの枝で ガラスに三度 恋しい人の名を書けば
愛が叶えられると 娘等は信じてる♪」
ここで、素朴な疑問です。
「シナモン」って、そんな効果があるのでしょうか?
少し、シナモンのことを紹介します。
シナモンは、クスノキ科の常緑樹で、世界最古の香辛料(スパイス)として知られ「スパイスの王様」とも言われています。
紀元前4000年頃、エジプトでミイラの防腐剤として使われていました。
シナモンは抗菌作用が強く、風邪のひきはじめにハチミツとまぜて飲むと、喉の痛みが治るとも言われています。
また、糖尿病の血糖値を下げたり、コレステロール値を下げる効果があると書いてある本もあります。
シナモンが「恋の魔法への効力」があるかどうかはわかりませんが、映画「ステキな金縛り」(2011年東宝映画 三谷幸喜監督)では、シナモンで霊感が強くなると紹介されています。
<シナモンの木>
もう一度、コーヒーベーカリー「安眠(あみん)」に戻りましょう。
この店には、「ミス・パンプキン」と学生に呼ばれている美女が、時々、やって来ます。
この美女に、お人好しで引っ込み思案のマスターが恋をします。
でも、マスターがミス・パンプキンに話すのは、「毎度ありがとう」の一言だけです。
おせっかいな学生(僕たち)は、授業を抜け出して店にやって来て、
日頃のお世話に感謝を込めて(?)、
「シナモンの枝で、ガラスにラブレター」を書いて、
ミス・パンプキンに、マスターの気持ちを伝えます。
その後のことは、さだまさしさんの歌詞で紹介します。
♪ところが 急に店を飛び出した彼女の
背中とマスターの半ベソ 交互に見比べ
僕らは立場失くして
ひたすらうろたえた♪
それからしばらくして、マスターはお嫁さんをもらいました。
相手がミス・パンプキンかどうかは、マスターは言いませんでした。
その後、学生(僕ら)のお店での待遇がよくなったのと、追試が決まったことを除けば、
以前と変わりない。
というオチで、「パンブキン・パイとシナモン・ティー」の歌は終わります。
ほのぼのとした、いい歌だと思いませんか。
次回は、この歌から誕生した「奇跡のスター」と、この歌の続編の曲の話を紹介します。
<一句>
パンプキン かぼちゃと言えよ 父の声
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