2015年9月19日土曜日

「安保関連法案」名言・迷言集 そして沈黙のメッセージ 

 2015(平成27)年9月19日午前2時18分、「海外での集団的自衛権の行使」を可能にした「安保関連法制」が、自民党・公明党などの賛成多数で参議院で可決・成立しました。

 この法律は、戦後70年続けてきた「専守防衛」「戦争放棄」などの日本の安全保障政策を、大きく変更するものだと思います。

 今回は、「戦争と平和」や「安保法案」に関する名言・迷言を、紹介します。
 どれが名言で、どれが迷言なのかは、みなさんの判断にお任せします。

<安保法案の採決(国会本会議場)>




 まず、「安保関連法案反対デモ」に参加していた高2の男子生徒の言葉です。
「 これからも、廃案に追い込むチャンスはある。私たちは微力だが、無力ではない。この活動は自分たちの未来のためだ。」

 次に、ミュージシャンの長淵剛さんの言葉です。
「 感覚として、戦争が近づいている気がする。どうやって阻止すべきか。子供が死ぬんだ、自衛隊員が死ぬんだぞと。」

 タレントの松本人志さんの言葉。
「 倍さんがやろうとしていることに対して『反対だ!』っていう意見って、意見じゃないじゃないですか。
 対案が出てこないんで。じゃあどうすると。このままでいいわけないんですよ。このままでいいと思っているとしたら、完全に平和ボケですよね。」


 続いて、落語家の笑福亭鶴瓶さんの言葉。
「 政府が変な方向に行っている。憲法9条はいじったらあかん。家族に乾杯をしたいがために言うてるんですよ。」

 堀江貴文(ホリエモン)さんの言葉。 
「 デモ参加者は、間違った理論に盲従する頭悪そうな人。安保反対デモに行ってる事をカミングアウトしたら、私は採用しませんよ。仕事出来ないと思うから 。」

 安保法案に反対するママの会のキャッチフレーズ
「だれの子どもも、ころさせない。 We say NO WAR!」

 安保法案に反対するママの会の実行委員の一人・鷹巣直美さん(主婦)の言葉。
「 子どもは、武器やお金を持って生まれてくる訳ではないのです。それは、この世界の人たちが必ず助けてくれると信じているから。戦争なんてばかなことはやめてください。」


 安倍晋三内閣総理大臣の言葉 (安保関連法案 成立直後)
「 平和安全法制は、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要な法制であり、戦争を未然に防ぐためのものだ。
  子供たちや未来の子供たちに、平和な日本を引き渡すために、必要な法的基盤が整備されたと思う。今後も積極的な平和外交を推進し、万が一の備えに、万全を期していきたい。」

 岡田克也民主党代表の言葉 (安保関連法案 成立直後)
「 極めて残念。憲法の平和主義・立憲主義・民主主義に、大きな傷あとを残した。ただ、これからが本当の勝負だと思っている」

 アメリカ国務省のコメント
「 われわれは、日本が日米同盟を強化し、地域や世界の安全保障に、より積極的な役割を果たすため行っている取り組み(安保関連法)を歓迎する。
 日本は70年間、平和や民主主義などにたゆまず取り組んできた。その足どりはすべての国にとって模範となる。」

 中国外務省のコメント
「 (安保関連法可決は)戦後日本の軍事分野におけるかつてない動きだ。
 日本の近年の軍事力の強化や軍事安全政策の大幅な調整は、時代の潮流と相いれないものであり、日本が専守防衛政策や戦後の平和の歩みを捨てるのではないかという疑念を引き起こしている。」


日本弁護士連合会のメッセージ(同会ホームページより)
「 この法案(安保関連法案)は、集団的自衛権の行使を容認するなど憲法第9条等の恒久平和主義に違反しています。
 また、この法案は、本来、国民投票によるなど憲法改正手続(憲法第96条)を経なければできないことを、政府解釈や立法によって行おうとするものであり、国民主権に違反します。
 このように、憲法違反の法律を制定することは、日本国憲法が依って立つ「立憲主義」を破壊するもので、日弁連としては、容認できるものではなく、これらの法案の成立に強く反対しています。」

 最後は、93歳の作家の瀬戸内寂聴さんの言葉です。
「 あらゆる戦争は悪だと思っています。戦争にいい戦争なんてありません。
  私たち老人は、命に代えても、そのことを語り継がなければなりません。」

<写真 平和ののぼり>



 1945年に第2次世界大戦が終わって、今年で70年になります。
 この間、世界各地で戦争や紛争が起きました。
 朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争、シリア紛争など、世界から「戦争・紛争」が消えることはありませんでした。
 そんな中でも、日本は平和憲法の下、戦争を1度もせずに「奇跡の復興」を果たしてきました。

 「安保関連法案」の成立で、これから日本は、どんな道を歩くことになるのでしょう。
  心配な気持ちがないと言えば、ウソになります。
  山本太郎参議院議員は、参議院での安倍首相の問責決議案採決で、「1人牛歩」と「喪服・数珠で焼香」のパフォーマンスをしたそうです。

  日本の平和や民主主義の終焉にならないように、みんなで「戦争をしない国・日本」、「平和な日本」を維持していかなければ、いけないと思っています。
 
 最後は、どんな名言よりも、どんなデモよりも、私の心に一番響いた「沈黙のメッセージ」を紹介します。

 通勤途中の橋のたもとで、どう見ても70代以上と思われる数人の老人たちが、毎朝、数本の「幟(のぼり)」を掲げて、街ゆく人たちに、何も言わずに深々と会釈する姿がありました。
 幟には、「平和」「憲法9条守れ」「若者を戦争に行かせない」などと書いてあります。

 「サイレント・スタンディング」と呼ばれるものかも知れませんが、選挙や宣伝以外で、毎朝、街頭に立ち会釈する人を見たのは初めてでした。

 派手なパフォーマンスもスポンサーも一切ありませんが、毎朝のおじいさん・おばあさんたちの紳士的で自主的な「沈黙のメッセージ」は、心に響くものがありました。

 若者から老人まで、男子も女子も、平和を守るためのドイツ憲法が言う「憲法を守るための戦う民主主義」の活動を行うのは、「これから」なのかも知れません


<一句>

 憲法に 秋風が吹く 安保法
      
 

 
    
 

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