2015年9月6日日曜日

挑戦者の駅「東京駅」~夢あふれる日本の中央駅~

  「ここは、挑戦する人の集う駅」

 2015年春、東京駅構内にこんな広告ポスターが貼られていました。
 東京日動火災という会社のグラフィック広告ですが、すごくインパクトがあり、それを見て、「なるほど」と思いました。
 今回は、「挑戦する人の集う駅=東京駅」をテーマに、ブログを書きたいと思います。

 北から上京してきた人たちが最初に降りるのが「上野駅」であるのに対し、西から上京してきた人が最初に降りる駅が「東京駅」です。
  最近は、東京~上野間に新幹線が開通したり、品川駅に新幹線が停車するようになって、少しその色が薄れていますが、東京駅が東京を象徴する駅で、上京するものの「チャレンジ」の始まりの駅であることには、変りがないと思います。

<東京駅構内の広告>

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 東京駅が出てくる歌もたくさんありますが、私が初めて東京駅に立った時、頭に浮かんだのは太田裕美の「赤いハイヒール」という歌の一節でした。
 
♪東京駅に着いたその日は 私おさげの少女だったの
  胸ボケットにふくらむ夢で 私買ったの赤いハイヒール♪
(「赤いハイヒール」 作詞 松本隆 作曲 筒美京平 歌 太田裕美 1976年)
 
 この歌は、前作で同じ太田裕美さんが歌った大ヒット曲「木綿のハンカチーフ」の歌詞
 「♪恋人よ 僕は旅立つ 東へと向かう列車で♪」
を受けたものだと思います。

 さすがに「赤いハイヒール」は買いませんでしたが、上京した日に、東京駅八重洲口の店で記念のグッズを買った記憶があります。

 最初に紹介した東京日動火災の広告には、実はいくつかのバージョンがあり、こんな言葉もあります。
 「東京には夢がある。挫折もある。どちらも人を強くする。」
 確かに、地方から上京したものにとって、東京は夢と挫折の都で、その象徴が「東京駅」なんだと思います。
 
 東京駅は、日本の「中央駅」として、第1次世界大戦が始まった1914(大正3)年12月18日に完成しました。
 当時の出入口は、丸の内側(皇居側)のみで、八重洲口が完成したのは、15年後の1929(昭和4)年でした。

 東京駅は、東京都千代田区丸の内1丁目にあり、東日本旅客鉄道(JR東日本)と東海旅客鉄道(JR東海)、そして東京地下鉄(東京メトロ)の駅です。


 「プラットホーム」の数は日本一多く、在来線(東海道本線、東北本線、総武本線、京葉線の4路線)が地上5面10線と地下4面8線の合計9面18線、新幹線(東北新幹線と東北新幹線)が地上5面10線、地下鉄(丸ノ内線)は地下1面2線です。

 東京駅に乗り入れている「正式な路線」は先ほど紹介したとおり、在来4路線、新幹線2路線、地下鉄1路線で、IRの所属は東海道線です。
 実際に乗り入れている路線(運転系統)をホーム順に紹介すると、次のとおりです。

<在来線地上ホーム(JR東日本)>
・1、2番線=中央線
・3番線=京浜東北線
・4、5番線=山手線
・6番線=京浜東北線
・7,8番線=上野東京ライン
・9,10番線=東海道線

<総武地下ホーム(JR東日本)>
・1,2番線=横須賀線
・3,4番線=総武線(快速)

<京葉地下ホーム(JR東日本)>
・1~4番線=京葉線、武蔵野線

<新幹線ホーム>
・14~19番線=東海道新幹線(JR東海)
・20~23番線=東北・山形・秋田新幹線、上越・北陸新幹線(JR東日本)

<地下鉄ホーム(地下鉄メトロ)>
・1、2番線=丸ノ内線

<東京駅山手線の0キロポスト>

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 東京駅で特徴的なのが、起点駅を示す「Oキロポスト」(写真)がホーム沿いの線路にあることで、東京駅へ着く列車はすべて「上り」、東京駅から出る列車はすべて「下り」です。
 そのことから、なぞなぞで、「日本一高い駅」と言われたこともあります。

 ちなみに、東京駅の1日の乗降客数は113万人余りで、全国7位(1位新宿、2位池袋、3位大阪・・)にランクされています。

 東京駅の丸の内口側は、従来、「皇居の正面玄関駅」としての位置づけがあり、あまり商業開発がされていませんでした。
 しかし、平成になって「東京駅ルネッサンス計画」で、1945年に空襲で焼失した駅舎を復元し、商業化が進む「丸ノ内オフィス街」と連携した開発が進んでいます。
 さらに、「東京ステーションギャラリー」や「東京ステーションホテル」なども改装されています。
 なお、「丸の内口駅舎」は、2003年に国の重要文化財に指定されています。

 一方、八重洲口側はもともと商業施設が多い場所でしたが、再開発が進み、デパートの「東京大丸店」や、地下街の「東京駅一番街」や「八重洲地下街」がその中核となっています。


 ただし、最近は、エキナカ(文字通り東京駅の中)に、多くの商業施設や飲食店ができ、イベントなども開催されています。
 東京駅再開発事業のスローガンの「東京駅が街になる」の言葉どおり、まさに東京駅全体が街になっています。


<東京駅周辺地図>



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  実は、私は東京駅に隣接するビルで仕事をしていたことがあります。この時に感じた2つの疑問がありました。

 1つ目は、「東京駅に乗り入れている地下鉄が丸ノ内線だけで少ないこと」
 2つ目は、「東京ディズニリゾートなどに行く京葉線のホームが異常に遠いこと」
です。

 1つ目の答えを、「ヤフー知恵袋」で見てみると、「近くに大手町駅など、多くの地下鉄路線が乗り入れている駅があるから必要ない」とか、「皇居をはじめ古い建物が多く、大きな道路も少ないため地下鉄が乗り入れしにくい」などの答えが出ていました。

 確かに大手町駅から東京駅までの連絡通路はありますが、結構遠くて、朝の通期時間には、若い女性が何人も倒れるのを目撃しました。
 再開発の一環で、何とか東京駅への地下鉄の乗り入れ路線を増やしてほしいものです。

 2つ目の「京葉線ホーム」が、南に500mも離れていることについては、明確な理由があります。
 実は、「成田新幹線」の計画があって、京葉線ホームは新幹線ホームになるはずだったそうです。
 計画に反対する意見が多くて、新幹線のホームは夢で終わり、京葉線のホームとして「夢の国・ディズニーリゾート」への入り口になったようです。
 「動く歩道」はいくつもありますが、それにして京葉線へのアクセスの改善も諮ってほしいと思います。

 おしまいは、例によって夢のある話といい話をします。

 今年の8月末、高さ390m地上61階建ての「日本一高いビル」を東京駅前に建てる計画が発表されました。完成するのは、2027年の予定です。

 現在、日本一高いビルは、大阪の「あべのハルカス」(300m)ですので、それを上回り、東京タワー(333m)の高さも超えることになります。

 なぞなぞで上り列車のない下り列車だけの「日本一高い駅・東京駅」の駅前に、本物の「日本一高いビル」ができれば、すごく夢のある話だと思います。
 余談ですが、世界で最も高いビルは、アラブ首長国連邦にある「ブルジュ・ハリファ」で828メートルもあるそうです。

 最後に、もう一つ、東京日動火災の「東京駅周辺に貼り出された広告」を紹介します。


<東京駅構内のポスター>
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「故郷から出てきた人も、故郷に帰る人も挑戦者だ。」

 そうなんです。ここまで、東京駅へ上京して来た人の挑戦の話をしてきましたが、東京駅から故郷へ帰る人も、挑戦者(チャレンジャー)なんです。

 東京駅には「21世紀出陣弁当」という、ポジティブな駅弁もあります。
 ぜひ、みなさんも私も、この駅弁を食べながら「21世紀」に挑戦していきましょう。

<一句>
 東京は 夢と未来に 挑戦の街

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