2015年11月6日金曜日

2015年「今年の漢字」を大予想(2)~対抗は偽、大本命は?~

 今回は、2015年の「今年の漢字」大予想の2回目(後半)です。
 前回、有力候補として「節」と「婚」を紹介しましたが、今回は本命と対抗であると個人的に思っている二つの漢字を紹介します。

 まず一つ目は、私が今年の漢字の対抗と考えている「偽」です。
 偽を、辞書でひくと、「が、ぎ、にせ、いつわ(る)」と出てきます。
 文字通り、「にせる」「本物でない」、偽物の意味です。

  この文字を見て、思い出す今年の出来事と言えば、「2020年東京オリンピック エンブレム」の偽物疑惑です。
  デザイナーの佐野研二郎さんの「エンブレム」が、ネットで偽物と指摘されたのは、すごく残念でした。
 「国立競技場」も、以前のものを残して改装してくれたら、よかったですね。

  もう一つ、今年の「偽」のニュースで、現在進行形なのが「旭化成建材の杭打ちデータ偽装事件」です。
 学校などの公共施設や、住んでいるマンションが偽装の対象だけに、そのショックと怒りは止まるところを知りません。

 さらに、「偽」が「にせる」の意味があることを考えると、10月に取り上げた「ハロウィン」の仮装の以上な盛り上がりも、「偽」なのかも知れません。(ちなみに、「偽」は、食品偽装や年金記録問題があった2007年に1度、選ばれています。)


<東京オリンピック2020年 疑惑のエンブレム>


 
 ここで、「今年の漢字」の歴史を紹介します。

 「今年の漢字」は、1995(平成7)年、阪神・淡路大震災の年に始まりまりました。
 この年の漢字は「震」で、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件などの、自然・社会の「震」が漢字として選ばれました。

 その後も、アメリカ同時多発事件があった2001(平成13)年の「戦」、新潟県中越地震や台風の連続上陸があった2004(平成16)年の「災」をはじめ、「倒」、「毒」、「変」など、全体的にはネガティブなイメージの漢字が、多く選ばれています。

 そんな中、私が「今年の漢字」で一番感動したのは、2011(平成23)年です。
 2011年は、2万人近い犠牲者が出た「東日本大震災」が発災して、日本中がどん底に打ちのめされた年でした。
 ところが、この年の漢字に選ばれたのは「絆(きずな)」でした。

  「今年の漢字」が始まって以来、最も大きな災害に見舞われた2011年の漢字が、「震」や「災」、「津(波)」ではなく、最もポジティブな、助け合うという意味の「絆」であったことは、日本の誇りだと思っています。
  しかも、この年の投票数は49万6997票で過去最高でした。そのうち、6万1453人が「絆」に投票したというのは、すごいことだと思います。

 もう一つ、「今年の漢字」のすごいところは、日本から、中国、台湾、シンガポール、マレーシアなどのアジアの国々に広まっているところです。

<2011年の「今年の漢字」の発表風景>


 後半は、私が「本命」だと思う「2015年 今年の漢字」を紹介します。

 それは、「安」です。
 辞書では、「アン、やすい、いずくに、いずくんぞ」などの読みで、安全、安心、公安、治安などの意味があります。

 「安」を本命視する一番の理由は、「安保関連法制」の成立と、それに反対するデモの広がりです。
 憲法学者の大半が「憲法違反の疑いがある」と指摘し、集団的自衛権を認めたこの法律の成立と、それに反対する運動の盛り上がりが全国的・前世代的にあったのは、21世紀日本の大きな岐路になる出来事だと思っています。

 他にも、「安」を押す理由はあります。
 日本のトップとして、積極外交を展開している安倍晋三首相の頭文字の「安」、原子力発電所の再稼働を決めた「原子力安全委員会」の「安」でもあります。

 最後にもう一つ、お笑い界でも「安」が活躍しました。

 そう、「とにかく明るい安村」の頭の文字も、「安」です。
 そして、例の決めゼリフ、「安心してください。はいてますよ。」の最初の言葉も、もちろん「安」です。


 「今年の漢字」の私の予想を競馬風にまとめると、「◎安、〇偽、△婚、×節」です。
 この中に、今年の漢字は入っているのでしょうか?

 「安心してください。(今年の漢字が)入ってますよ?(笑)」

 (「今年の漢字」の応募はこちらです→ http://www.kanken.or.jp/kanji2015/ )


<一句>
 節目婚  偽装じゃなければ  安心婚
 

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