2016年1月24日日曜日

寒波・積雪の範囲、25日は九州から全国へ拡大 ~全国県庁所在地の積雪比較~

 「21世紀」に入って最強クラスの寒波が、2016年1月24日~25日、日本列島に来襲しています。

 今回は、滅多に雪の降らない「九州、四国、中国」の平野部でも積雪が記録され、奄美大島でも1901(明治34)年以来、115年ぶりに雪が観測されました。さらに、台湾の北部でも雪が降ったということです。

 1月24日は、関西以西の西日本の県庁所在地では、那覇(沖縄県)を除くすべてで最低気温が氷点下を記録しました。
 さらに、九州、四国、中国、近畿の各地で、「暴風雪警報」や「大雪警報」が出され、積雪が記録されています。
 この雪の影響で青森と新潟で計2人が死亡し、20県で200人以上が負傷しています。

 寒気のピークは、24日夜から25日にかけてで、九州の大雪は、今後、中国・四国・近畿・東海などに拡大する見込みです。
 これらの地域は、雪に慣れていない地方が多く、積雪・降雪に厳重な警戒が必要です。

 特に25日の朝の通勤・通学などの外出時は、下記の「通勤・通学時などの外出時の主な注意点」を読んでいただき、事故のないように安全にお出かけください。



<警報>

 2016年1月24日午後9時現在の警報発表状況は、次のとおりです。
 中部、近畿、中国、九州に出ています。

〇暴風雪警報=6県(鳥取県、山口県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県)

〇大雪警報=17県(新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県、兵庫県、島根県、広島県、山口県、徳島県、高知県、福岡県、大分県、佐賀県、熊本県、長崎県、鹿児島県)

〇波浪警報=10府県(石川県、福井県、京都府、兵庫県、鳥取県、島根県、長崎県、熊本県、鹿児島県、沖縄県)

<積雪>
 
 2016年1月24日午後9時現在の都道府県庁所在の積雪は、次のとおりです。
 長崎市の16センチは47都市で7番目の積雪ということになります。
(積雪0センチまたは無しを除く)

(九州の県庁所在地)
・長崎県長崎市    16センチ
・鹿児島県鹿児島市 13センチ
・佐賀県佐賀市     6センチ
・熊本県熊本市     2センチ

(中国の県庁所在地)
・山口県山口市     9センチ
・島根県松江市     2センチ
・鳥取県鳥取市     2センチ

(四国の県庁所在地)
・徳島県徳島市     1センチ

(近畿の府県庁所在地)
・和歌山県和歌山市  1センチ

(中部の県庁所在地)
・新潟県新潟市    36センチ
・富山県富山市    32センチ
・福井県福井市    19センチ
・長野県長野市    13センチ
・石川県金沢市     8センチ
・山梨県甲府市     2センチ

(関東の都県庁所在地)
・群馬県前橋市     7センチ

(北海道・東北の道県庁所在地)
・青森県青森市    87センチ
・北海道札幌市    53センチ
・山形県山形市    33センチ
・秋田県秋田市    15センチ
・岩手県盛岡市    10センチ
・宮城県仙台市     9センチ
・福島県福島市     8センチ


(全国の全アメダスの積雪上位)
1位=酸ヶ湯(青森県)   227cm
2位=肘折(山形県)    220cm
3位=朱鞠内(北海道)   172cm


<写真 雪の金閣寺(京都)>


◎ 気象庁、平成28年1月24日16時30分発表
  「暴風雪と高波及び大雪に関する全般気象情報」 第6号(抜粋)

(見出し)
 日本の上空には非常に強い寒気が流れ込んでいます。25日にかけて、全国的に非常に強い風が吹き、西日本や北陸地方を中心に大雪となるでしょう。
 暴風雪、暴風、高波、大雪に警戒し、落雪やなだれ、着雪、落雷や竜巻などの激しい突風に注意してください。
 
(本文)

[気圧配置など]
 日本付近は、西日本から冬型の気圧配置が強まり、日本の上空には非常に強い寒気が流れ込んでいます。強い冬型の気圧配置は24日夜がピークで、25日には西日本から次第に緩んでくる見込みです。

[防災事項]

 <暴風雪・高波>
 25日までに予想される最大風速(最大瞬間風速)は、
  中国地方、北陸地方        23メートル(35メートル)
  伊豆諸島、九州南部、奄美地方   22メートル(35メートル)
  関東地方、東海地方、近畿地方、
  四国地方、九州北部地方、沖縄地方 20メートル(30メートル)
 25日までに予想される波の高さは、
  九州北部地方、九州南部・奄美地方、沖縄地方 7メートル
  北陸地方、近畿地方、中国地方、小笠原諸島  6メートル

<大雪・低温・雷・突風>
 25日18時までの24時間に予想される降雪量は、いずれも多い所で、
  北陸地方                  70センチ
  東北地方                  60センチ
  関東甲信地方、東海地方、近畿地方、中国地方 50センチ
  九州北部地方               40センチ
  四国地方、九州南部           20センチ

<写真 雪の降る街>



<大雪・低温の時の備え(特に雪に慣れていない地方向け)>

【予想される被害】 ・水道管の凍結による断水・破裂
 ・着雪で送電線が断線することによる停電
 ・大雪による公共交通機関の停止と流通のマヒ

(1)「食料品や生活用品」を備蓄(3日分が目安)
  停電で調理ができなくなった場合に備えて、そのまま食べられるものを用意。
・パン類、菓子類、果物類など
・ペットボトルの水やお茶(1人1日2リットル×3日
・インスタント食品や非常食(お湯が必要なものは準備)

(2)停電に備える
・カセットコンロとガスボンベ
・灯油ストーブと灯油
・魔法瓶にお湯を沸かしておく
・毛布
・使い捨てカイロ
・懐中電灯
・電池または発電式ラジオ
・携帯やスマホの充電器(手回しか電池)

(3)水道管の凍結・断水に備える 外の気温がおおむねマイナス4度以下まで低下すると、水道管の中の水が凍ってしまう可能性があります。この場合水が出なくなったり、最悪の場合水道管が破裂する恐れがあります。

 ・蛇口から水を、少しずつ出し続けることは簡単な「凍結防止」になります。
・浴槽に水を溜めておけば、万が一断水しても、トイレ等の生活用水を確保できます。
(地震対策としても有効)


(4)交通網の停止に備える
 公共交通機関の多くが停止する可能性があります。
・複数のルートを検討しておく
・自家用車は、タイヤ用のチェーンやオートソックなどを準備
・車は積雪でも出やすい場所に移動しておきましょう。

<写真 雪の通学>



 <大雪の時の「通勤・通学」などの外出時の主な注意点> 

1) 時間に余裕を持って行動
●歩き慣れている道でも積雪状態になると予想以上に時間がかかることがあります。
●交通機関の乱れを想定しておきましょう。

2) 歩き方等
●歩きなれている靴(特に運動靴)を履く
●ハイヒールは、雪道では危険
●歩幅を小さくゆっくり歩く
●両手を開けて歩く(スマートフォン・携帯電話を見ながら、ポケットに手を入れるのは危険です)

(3) 車の運転
●時間に余裕を持って出かける
●スピードを落として進む
●エンジンブレーキを活用(スリップの恐れの高い急ブレーキをなるべく使わないで済む運転)

4) 特に注意すべき場所
●歩道橋の上や橋の上(雪や氷が融けにくい)
●横断歩道(滑りやすい)
●踏切(危険)
●地下への出入口や商業施設や会社など建物への出入口(雪が残っている。安心感をもち気が緩む)
●バスやタクシーの乗降場所(人や車のタイヤで雪が踏み固められやすい)

(5) 行動範囲の気象情報や交通情報をこまめに確認
●スマホや携帯電話などで最新情報を確認(歩きながら、運転しながらは厳禁)
  

  <天気図(気象庁 2016年1月24日18時)>


 
◎おまけ

 アメリカの北東部でも、ニューヨークで63cmと過去3番目の積雪を記録するなど、歴史的な寒波に見まわれ、8500万人が影響を受けました。
 死者は19人で、ブロードウェイの劇場もすべて休館になり、ワシントンのホワイトハウスは、雪に埋まって、文字通り「ホワイトハウス」になりました。

 
 大雪、暴風、低温、高波などに、十分、気をつけてください。

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